デジタル赤字、過去最大の6.7兆円。海外サービスへの支払いが拡大

海外のクラウドやソフトウェア、ライセンスへの支払いが増え続けています。2024年のデジタル赤字は過去最大の約6.7兆円に達しました。コンピュータサービスや著作権使用料などの流出は、この10年で大きく膨らみました。国内のデジタル基盤が海外にどれだけ依存しているかを示す数字と言えます。
2024年のデジタル赤字は過去最大の6.7兆円
総務省の令和7年版情報通信白書によると、2024年のデジタル赤字は約6.7兆円で、過去最大を更新しました。前年から約0.9兆円拡大しています。※1
ここでいうデジタル赤字は、コンピュータサービス、著作権等使用料、専門・経営コンサルティングサービスという3項目の国際収支上の赤字を指す(財務省「国際収支統計」に基づく)。※1
クラウドやソフトウェアの利用が広がるほど、海外への支払いが増える構造です。
10年で膨らんだ海外への支払い
赤字の拡大は一過性ではありません。2014年と比べると、コンピュータサービスは約3.3倍、著作権等使用料は約2.1倍、専門・経営コンサルティングサービスは約5.4倍に膨らんでいます。※2
デジタル分野では海外プラットフォーム事業者が大きな存在感を持ち、国内のサービス利用がそのまま海外への支払いにつながりやすい状況です。名目上の便益の裏で、対価の流出が積み上がってきています。
問われるのは「海外依存」との向き合い方
令和7年版情報通信白書は、デジタル分野での過度な海外依存に懸念を示し、競争力の向上と自律性の確保が重要だと指摘しています。※2 生成AIの利用拡大が今後さらに支払いを押し上げる可能性もあります。
企業にとっては、自社のIT・デジタル関連コストがどれだけ海外サービスに依存しているかを把握し、代替や国産の選択肢を意識することが、コスト管理と経済安全保障の両面で論点となりそうです。
※1 総務省「令和7年版情報通信白書」― 2024年のデジタル赤字 約6.7兆円(過去最大、前年比 約+0.9兆円)。対象はコンピュータサービス・著作権等使用料・専門/経営コンサルティングサービスの国際収支赤字(財務省「国際収支統計」に基づく)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd113220.html
※2 同白書 ― 2014年比の拡大:コンピュータサービス 約3.3倍、著作権等使用料 約2.1倍、専門・経営コンサルティングサービス 約5.4倍。デジタル分野での海外事業者の台頭と、過度な海外依存への懸念・競争力向上・自律性確保の必要性
https://www.soumu.go.jp/main_content/001019264.pdf
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 ENTERA編集部
BtoBマーケティング支援を手がけるターゲットメディア株式会社の編集チーム。官公庁が公表する統計・白書をもとに、人事・経済・DXなど企業活動に関わるテーマを数字で読み解き、エンタープライズ企業の実務担当者に向けて発信しています。
