実質賃金、4年連続マイナスから2026年にプラス転換

名目賃金は5年連続で増えています。だが物価の上昇に追いつかず、実質賃金は2025年まで4年連続でマイナスでした。流れが変わったのは2026年に入ってからです。プラスが一時的な回復にとどまるのか定着するのかは、名目の賃上げと物価の関係で決まりそうです。
2025年まで、実質賃金は4年連続マイナス
2025年(暦年)の実質賃金指数は前年比マイナス1.3%で、4年連続のマイナスとなりました。※1 一方、名目にあたる現金給与総額(事業所規模5人以上)は月35万5,941円で前年比+2.3%と、5年連続で増加しています。※1
名目の賃上げは進んでいますが、物価の上昇に追いつかない状態が続きまして。この差が、実質賃金を押し下げてきたと言えます。
2026年に入り、実質賃金はプラスに転じた
直近の2026年4月分では、実質賃金は前年同月比+1.9%と、4か月連続のプラスとなりました。※2 名目の現金給与総額は+3.5%、基本給にあたる所定内給与も+3.4%と伸びが加速しています。※2
2025年の春季労使交渉による賃上げや最低賃金の引き上げが、名目賃金を押し上げた形です。
定着の鍵は、名目賃上げと物価の差
実質賃金は、名目賃金の伸びと物価上昇率の差で決まります。名目の伸びが続いても、物価が再び加速すれば実質は容易にマイナスへ振れます。足元のプラスが一時的な回復か定着かは、賃上げの持続と物価の落ち着きにかかっています。
名目の数字だけでは、賃金が実際に増えたかは判断できません。 経営企画や人事の予算編成では、名目に加えて実質ベースの推移を前提に置くことが求められてきます。
※1 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果速報」― 実質賃金指数 前年比マイナス1.3%(4年連続マイナス)、現金給与総額(事業所規模5人以上)35万5,941円・前年比+2.3%(5年連続増)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r07/25cp/25cp.html
※2 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年4月分結果速報」― 実質賃金 前年同月比+1.9%(4か月連続プラス)、現金給与総額+3.5%、所定内給与+3.4%
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2604p/2604p.html
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 ENTERA編集部
BtoBマーケティング支援を手がけるターゲットメディア株式会社の編集チーム。官公庁が公表する統計・白書をもとに、人事・経済・DXなど企業活動に関わるテーマを数字で読み解き、エンタープライズ企業の実務担当者に向けて発信しています。
