製造業、価格転嫁9割・賃上げ8割。それでも残る構造課題

製造業の多くがコスト高に対応し、価格転嫁も賃上げも進みました。しかし人手不足は慢性化し、脱炭素や経済安全保障といった構造課題も重なっています。
サプライチェーンの把握は2、3社先までにとどまる企業が9割を超えます。目先の対応の先に、見えにくいリスクが残っています。
コスト高への対応は進んだ ― 価格転嫁9割・賃上げ8割
2025年版ものづくり白書によると、直近3年間で実施した企業行動として、約9割の事業者が「価格転嫁」、約8割が「賃上げ」を挙げています。半数以上が「人材確保」「設備投資」にも取り組んでいます。※1
背景には、原材料・エネルギー価格の高騰と労働力不足があります。多くの企業がコスト高に押される形で、価格と賃金の見直しを進めてきました。※1
人手不足は慢性化し、構造課題が重なる
対応の裏で、人手不足は続いています。製造業の就業者数は2023年の1,055万人から2024年は1,046万人へ減少しました。中小製造業の従業員数過不足DIは2024年にマイナス18.2と、コロナ前(2019年)と同水準の不足感に戻っています。※2
白書はさらに、産業競争力・脱炭素(GX)・経済安全保障を複合的に捉えるべき課題として位置づけており、人手不足と並ぶ構造的な負担となっています。※2
エクセリタスノーブルライトジャパン株式会社は製造業の人手不足の解消に貢献する製品を提供しています。
同社の赤外線ヒーターは、必要な時だけ稼働し必要箇所のみをゾーン制御で急速加熱することで、人手不足の解消のほかCO₂排出量の削減も期待できます。製品について詳しくはこちらをご覧ください。
見えていない「2、3社先から先」のサプライチェーン
こうした中で、供給網の把握は浅い状況です。リスク分析で意識するサプライチェーンの範囲は、直接の取引先と2、3社先までにとどまる事業者が9割強を占めます。※3 経済安全保障の取組についても、「行っていない」企業が約6割にのぼります。※3
価格や賃金への対応は進む一方で、供給網の可視化と経済安保対応は遅れています。まず自社のサプライチェーンを2、3社先より奥まで把握し、どこにリスクが潜むかを見極めることが、次の一手の出発点となりそうです。
※1 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2025年版ものづくり白書(概要)」― 直近3年間で実施した企業行動:約9割が価格転嫁、約8割が賃上げ、半数以上が人材確保・設備投資。事業環境の変化として原材料・エネルギー価格高騰、労働力不足を挙げる事業者が多い
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2025/pdf/gaiyo.pdf
※2 同白書 ― 製造業就業者数 2023年1,055万人→2024年1,046万人。中小製造業の従業員数過不足DI 2024年マイナス18.2(2019年と同水準の不足)。産業競争力・脱炭素・経済安全保障を複合的に捉える必要性
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2025/pdf/gaiyo.pdf
※3 同白書 ― リスク分析で意識するサプライチェーンの範囲は直接取引先及び2、3社先までが9割強。経済安全保障の取組を「行っていない」約6割
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2025/pdf/gaiyo.pdf
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 ENTERA編集部
BtoBマーケティング支援を手がけるターゲットメディア株式会社の編集チーム。官公庁が公表する統計・白書をもとに、人事・経済・DXなど企業活動に関わるテーマを数字で読み解き、エンタープライズ企業の実務担当者に向けて発信しています。
