営業AI導入率68%、収益貢献の実感は29%|成果につなげる活用方法とは?

更新日 : 2026年10月29日
マーケティング・営業

営業活動でAIを使う企業が増えています。しかし、導入がそのまま売上につながるわけではありません。大企業のBtoB営業を対象とした調査では、AIの導入率は68%、収益への貢献を実感している企業は29%でした。※1

この差はなぜ生まれるのでしょうか。調査データをもとに、営業AIの使い方と成果につなげるポイントを解説します。

営業AIとは?どのような業務に使えるのか

営業AIとは、生成AIなどを使って営業担当者の情報収集や資料作成、顧客対応を支援する取り組みです。例えば、過去の商談履歴を探す、議事録をまとめる、提案書の下書きを作るといった作業に活用できます。

こうした作業を短縮できれば、営業担当者は顧客の課題を考えたり、提案を練ったりする時間を増やせます。

調査でわかった「導入68%、収益貢献29%」の差

PwCコンサルティングが2026年5月に公表した調査では、生成AI・AIエージェントを導入済みの企業は68%でした。一方、収益への貢献を実感している企業は29%にとどまっています。※1

調査は2025年11月に実施され、売上高500億円以上の日本企業に所属するBtoB営業の部長職以上487人が回答しました。製造業だけを対象とした数値ではありません。また、「29%」は収益貢献の実感を示す割合で、実際の売上増加率ではありません。

なぜAIを導入しても営業成果につながらないのか

理由の一つとして考えられるのは、作業の効率化と営業成果の間に、もう一段階の取り組みが必要なことです。例えば議事録を速く作れても、顧客の課題や次の対応が整理されなければ、商談は前に進みません。

大切なのは、AIで作業を終わらせるのではなく、整理した情報を次の提案や顧客対応に使うことです。

営業AIを成果につなげる3つの使い方

① 顧客情報を整理し、提案先を考える

取引履歴や問い合わせ内容をAIで整理し、提案の余地がある顧客を探します。ただし、AIの分析はあくまで仮説です。実際のニーズは営業担当者が確認します。

② 商談の内容を、次の行動につなげる

AIで議事録を要約し、顧客の課題、未回答の質問、次回までの対応事項を整理します。記録の正確さは人が確認し、担当者間で共有します。

③ 提案準備の時間を短くする

社内資料の検索や提案書の下書きにAIを活用します。AIエージェントを使えば複数の作業を組み合わせた支援も考えられます。ただし、価格や納期などの最終判断は人が行います。

営業部門の動きを企業全体の状況と比べたい場合は、以下の記事もご覧ください。

導入前に確認したい3つのポイント

まず、何を改善するのかを決めます。例えば「商談準備に時間がかかる」「提案内容の引き継ぎが難しい」など、具体的な課題から始めると効果を測りやすくなります。

次に、AIが参照する情報を整えます。SFA・CRMなどの顧客情報が古かったり、部署ごとに分散していたりすると、期待する回答を得にくくなります。顧客情報の入力ルールやアクセス権限も確認しましょう。

最後に、作業時間の削減だけでなく、提案数や商談の進捗なども確認します。小さく試し、成果を見ながら利用範囲を広げる方法が現実的です。

まとめ:営業AIは「何を改善できたか」で評価する

営業AIの導入は進んでいますが、収益への貢献を実感する企業はまだ限られています。重要なのは導入そのものではなく、AIで得た時間や情報を顧客への提案に生かすことです。

まずは改善したい営業業務を一つ選び、効率化と営業成果の両方を確かめながら活用を進めましょう。

※1 PwCコンサルティング合同会社「日本企業におけるB2Bセールス業務への生成AI活用実態調査 2025」(2026年5月29日公表、調査実施:2025年11月)

https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/ai-in-b2b-sales-survey2025.html

本コラムの作成・編集者

ターゲットメディア株式会社 ENTERA編集部

BtoBマーケティング支援を手がけるターゲットメディア株式会社の編集チーム。官公庁が公表する統計・白書をもとに、人事・経済・DXなど企業活動に関わるテーマを数字で読み解き、エンタープライズ企業の実務担当者に向けて発信しています。