企業のBCP策定率は大企業75.8%。自治体・企業は災害に何を備えている?

地震や豪雨などの自然災害に備え、自治体や企業では防災計画の策定、食料・飲料水の備蓄、非常用電源の確保などが進められています。内閣府の2025年度調査では、大企業のBCP策定率は75.8%となりました。一方、企業規模や備蓄品目によって対応状況には差が見られます。※1
特に製造業では、工場の被災による生産停止や原材料・部品の調達遅延など、事業継続に影響するリスクへの備えも欠かせません。
企業のBCP策定率は大企業75.8%、中堅企業54.8%
内閣府が2026年3月に公表した「令和7年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によると、事業継続計画(BCP)の策定率は、大企業で75.8%、中堅企業で54.8%でした。※1 前回調査と比較すると、大企業は0.6ポイント減少した一方、中堅企業は9.3ポイント上昇しています。
BCPは、災害などの緊急事態が発生した際に、重要な業務を継続・早期復旧するための計画です。企業では、従業員の安全確保に加え、事業拠点や設備、取引先などへの影響を想定した準備が求められます。
例えば製造業では、工場の生産設備が被災した場合の復旧手順や、原材料・部品の調達先が被災した場合の代替手段なども検討事項となります。
企業の災害対策では、被害を防ぐための備えだけでなく、被災後も重要な業務を継続・早期復旧できる体制づくりが重要です。
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企業の災害備蓄は飲料水・食料が中心、トイレや毛布には差も
企業では、災害時に従業員が安全に待機できるよう、備蓄品の準備も進められています。同調査によると、大企業で飲料水を備蓄している割合は93.2%、食料品は91.8%でした。また、簡易・携帯用トイレは85.9%、毛布は76.0%となっています。※1
一方、中堅企業では飲料水が76.7%、食料品が70.5%であるのに対し、簡易・携帯用トイレは59.6%、毛布は46.5%にとどまりました。また、飲料水を3日分以上備蓄している割合は、大企業で66.1%、中堅企業で43.0%となっています。災害への備えでは、飲料水や食料だけでなく、トイレ・防寒用品なども含め、必要な物資を十分な量で確保することが課題です。
自治体は食料・飲料水に加え、非常用電源や防災資機材を準備
自治体でも、大規模災害に備えた物資の備蓄や、行政機能を維持するための対策が進められています。総務省消防庁の「令和7年版 消防白書」によると、地方公共団体では、食料や飲料水などの生活必需品に加え、医薬品や災害対応・復旧に必要な防災資機材を備蓄しています。※2
また、災害時にも必要な行政サービスを継続できるよう、非常用電源の整備、業務継続計画(BCP)や受援計画の策定、広域防災応援協定の締結などが求められています。
さらに、2025年の災害対策基本法等の改正により、地方公共団体には年1回の備蓄状況の公表が義務付けられました。同年7月には防災基本計画も修正され、自治体が備蓄すべき物資の具体的な品目や数量などが改めて明記されています。
自治体の防災対策では、住民に届ける物資の確保だけでなく、災害時にも行政機能を維持し、外部からの支援を受け入れられる体制の整備が重要です。
災害時に備蓄物資を届けるための搬送体制も重要に
災害への備えでは、食料や飲料水などの物資を確保するだけでなく、必要なときに取り出し、必要な場所へ届けられる体制を整えておくことも重要です。
例えば、工場や物流拠点では、災害時に従業員へ備蓄物資を配布したり、保管場所から必要な物資を搬出したりする作業が発生することも考えられます。
また、災害によって停電や設備の損傷が発生した場合には、通常の搬送設備を使用できなくなる可能性があります。
そのため、備蓄物資の保管場所や搬送経路、必要な作業人員に加え、停電時に利用できる搬送手段まで確認しておくことが大切です。
こうした場面では、人手による運搬だけでなく、必要な場所へ持ち込んで使用できる搬送機器も選択肢となります。
例えば、平田機工株式会社のバッテリー式ポータブルコンベヤ「どこでもコンベヤ」は、工具用バッテリーで駆動し、外部電源を確保しにくい場所でも使用できる搬送機器です。こうした可搬式の機器は、災害時の物資の荷下ろしや拠点内での移動など、一時的に搬送作業が発生する場面での活用が考えられます。
災害時の物資供給を円滑に進めるためには、備蓄量の確保に加え、実際の搬送作業まで想定した準備が求められます。
なお、電源の確保が難しい場所での搬送方法を検討する際には、こうしたバッテリー式の搬送機器も参考になります。具体的な仕組みや活用方法については、平田機工株式会社の「どこでもコンベヤ」の製品ページでも紹介されています。
まとめ:災害への備えは物資の確保と運用体制の整備が重要
自治体や企業では、BCPの策定や食料・飲料水の備蓄、非常用電源の確保など、災害に備えた取り組みが進められています。
一方、企業規模によって備蓄状況に差があり、物資の確保だけでなく、災害時に必要な場所へ届ける体制の整備も課題となっています。
特に製造業では、従業員の安全確保に加え、工場の設備復旧や原材料・部品の調達手段の確保など、生産活動の継続・再開を見据えた備えも重要です。
災害時に何が使えなくなるのか、どの業務を優先して復旧するのかを具体的に想定し、必要な物資・設備・人員を確保しておくこと。こうした事前の準備が、BCPの実効性を高めることにつながります。
※1 内閣府「令和7年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(概要)」(2026年3月)― BCP策定率、企業の防災備蓄状況、サプライチェーン対策
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/pdf/r7_gaiyou.pdf
※2 総務省消防庁「令和7年版 消防白書 第2章第9節 防災に係る体制の整備」― 自治体の備蓄物資、非常用電源、業務継続計画、備蓄状況の公表
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r7/chapter2/section9/69313.html
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 ENTERA編集部
BtoBマーケティング支援を手がけるターゲットメディア株式会社の編集チーム。官公庁が公表する統計・白書をもとに、人事・経済・DXなど企業活動に関わるテーマを数字で読み解き、エンタープライズ企業の実務担当者に向けて発信しています。
